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2026.9.23

「レントゲンは異常なし。でも痛い」交通事故後の首・腰の症状をどう伝える?|上三川町

「レントゲンは異常なし。でも痛い」交通事故後の首・腰の症状をどう伝える?|上三川町

「レントゲンでは異常なしと言われたのに、首も腰も痛い」。交通事故後には、決して珍しくない相談です。画像に骨折や脱臼が写っていないことと、痛みやしびれが存在しないことは同じではありません。

上三川町から受診される方の中にも、「異常なしなら我慢するしかないですか」「痛いと言うと大げさだと思われませんか」と不安になる方がいます。そんなことはありません。大切なのは、画像だけで結論を出すのではなく、事故の状況、症状の経過、診察所見、必要な検査を合わせて考えることです。

この記事では、レントゲンで異常が見つからなかったあとも首の痛みや腰痛が続く場合に、診察で何を伝え、どう経過を見ていくかを整形外科医の視点でお話しします。

この記事の要点

  • レントゲンは主に骨の状態を見る検査で、痛みのすべてを写すものではありません
  • 「どこが痛いか」だけでなく、いつ・何をすると・どのように困るかを伝えましょう
  • MRIなどの追加検査は全員に必要ではなく、症状と診察所見から医師が判断します
  • 力が入らない、歩けない、排尿障害などがあれば早急な受診が必要です
交通事故後にレントゲン画像を見ながら首と腰の痛みを相談する患者
画像結果と症状を一緒に確認し、次の診察や治療につなげます。

「異常なし」は「何も起きていない」という意味ではありません

レントゲンは、骨折、脱臼、骨の並び、加齢による変化などを確認するのに役立ちます。一方で、筋肉、靱帯、椎間板、神経などの軟らかい組織は、レントゲンだけでは十分に評価できないことがあります。日本整形外科学会も、捻挫を「X線でうつらない部分のけが」と説明しています。

交通事故によるいわゆる「むち打ち」は、医学的な一つの病名ではありません。外傷性頚部症候群、頚椎捻挫、頚部挫傷、神経根症など、症状と診察所見に応じて考えます。骨折や脱臼が見つからなくても、首の痛み、肩こり、頭痛、めまい、手のしびれなどが続く場合があります。

腰も同様です。腰の筋肉や関節周辺の組織が刺激され、座る、立つ、前かがみになる、車から降りるといった動作で痛むことがあります。画像が正常だからといって、診察で確認することがなくなるわけではありません。

診察では「痛みの住所」を詳しく教えてください

「首が痛い」「腰が痛い」だけでも診察は始められますが、もう一歩具体的に伝えると状態をつかみやすくなります。たとえば首なら、後頭部に近いのか、肩甲骨の内側まで広がるのか、腕や指までしびれるのか。腰なら、中央なのか左右どちらか、お尻や脚まで響くのかを教えてください。

指一本で示せる狭い痛みか、手のひら全体ほどの広い痛みかも手がかりになります。毎回まったく同じ言葉にする必要はありません。場所が移った、範囲が狭くなった、しびれが増えたなど、変化をそのまま伝えることが大切です。

症状を伝える5つの軸

  1. 場所:首の後ろ、肩、肩甲骨、腰、お尻、腕、脚など
  2. 始まり:事故直後、数時間後、翌朝、数日後など
  3. きっかけ:右を向く、座り続ける、荷物を持つ、寝返りなど
  4. 性質:重い、刺す、引っ張られる、しびれる、力が抜けるなど
  5. 生活への影響:運転、仕事、家事、睡眠、着替えで何が難しいか
整形外科医が交通事故後の首の動く範囲を診察する場面
首をどこまで動かせるか、動作で症状が再現するかを確認します。

首の診察で確認すること

首の診察では、動かせる範囲、押して痛む場所、姿勢、腕や手の筋力・感覚、腱反射などを確認します。「首を回すと痛い」のか、「首を動かすと腕まで電気が走る」のかでは、考える状態が異なります。

頭痛やめまい、吐き気がある場合は、それがいつ起こり、どのくらい続くかも伺います。頭をぶつけた、意識が飛んだ、事故の記憶が途切れている場合は、首だけでなく頭部外傷の評価が必要です。症状によっては救急医療機関や他科での診察を優先します。

日本整形外科学会は、交通事故後に外傷性頚部症候群が疑われる場合、神経学的所見を含む診察と病状に応じ、レントゲンやMRIなどの精査が可能な整形外科医の診察を勧めています。「画像が正常だった」という一言だけで通院を終えるのではなく、現在の症状を診察で確かめましょう。

腰の診察で確認すること

腰では、前後左右の動き、押して痛む場所、脚の上がり方、筋力、感覚、反射、歩き方などを確認します。事故前から腰痛があった方は、そのことも隠さずお話しください。「事故前は月に一度重い程度だったが、事故後は毎日痛くて30分座れない」のように、前後の違いを具体的にすると判断に役立ちます。

痛みが強いほど画像に大きな異常があるとは限らず、反対に画像上の変化があっても症状の原因とは限りません。年齢に伴う変化が事故前から存在していることもあります。画像、診察、経過の3つを照らし合わせる必要があります。

交通事故後の腰痛について脚の筋力と感覚を確認する整形外科診察
腰痛だけでなく、脚の筋力・感覚や歩き方も重要な情報です。

MRIを撮ればすべて分かりますか

MRIは椎間板、靱帯、脊髄、神経など軟部組織の評価に役立つ検査です。しかし、事故後の首痛・腰痛がある全員に、すぐMRIが必要なわけではありません。検査時間がかかり、体内金属や閉所への不安など確認事項もあります。また、症状と関係のない加齢変化が写ることもあります。

追加検査は、痛みの場所と経過、神経症状、診察所見、最初の画像、事故の衝撃などをもとに判断します。米国放射線専門医会の画像診断指針でも、外傷後に神経や靱帯などの損傷が疑われる場合や、症状が続く特定の状況でMRIが検討されるとされています。

「MRIを撮っていないから軽い」「MRIを撮れば事故との関係が必ず証明できる」という理解は正確ではありません。検査には、それぞれ得意なことと限界があります。なぜ必要か、結果で治療がどう変わるかを担当医へ確認してください。

症状日記は短く、具体的に

毎日長文を書く必要はありません。朝・昼・夜の痛みを数字だけで残すより、「できなかった動作」と「回復した動作」を一行で書く方が診察で役立つことがあります。

記録例

  • 9月8日:右を向けず、車線変更の目視がつらい。運転は家族へ依頼
  • 9月9日:デスクワーク30分で腰が重くなり、立って休憩
  • 9月10日:夜中の寝返りで2回目が覚めた
  • 9月11日:腕のしびれは減ったが、ペットボトルのふたが開けにくい
  • 9月12日:買い物袋を片手で持てるようになった

良くなった点も書いてください。治療への反応と回復の方向が分かります。スマートフォンのメモでも紙の手帳でも構いません。診察室では、特に困っている2~3点を先に伝えると話がまとまりやすくなります。

「いつから痛いか」を時系列にすると伝わりやすいです

交通事故後の診察では、事故当日、翌朝、数日後、現在の4つに分けて症状を並べてみてください。たとえば「当日は首の違和感だけ」「翌朝に右を向けなくなった」「3日目から腰が重い」「現在は運転30分で悪化する」という形です。

薬を飲んだ日、仕事へ戻った日、リハビリを始めた日も一緒に書くと、症状の変化と治療・活動の関係が見えます。痛みが強くなった日だけでなく、よく眠れた日、運転できた距離、座れた時間など回復した点も残しましょう。

診察ごとに説明が少し変わること自体は不自然ではありません。時間がたって気づく症状もあります。ただし、記憶だけで話すと事故前の症状と混ざることがあります。事故前からあった肩こりや腰痛、過去のけがや手術も時系列の最初に書き、事故後に何が変わったかを区別してください。

動かさない方がよいのでしょうか

事故直後の強い痛みや、骨折などが疑われる段階では安静や固定が必要な場合があります。一方で、重大な損傷が否定され、医師が動かしてよいと判断したあとまで過度な安静を続けると、筋力低下や動作への不安につながることがあります。

日本整形外科学会は、骨折や脱臼がない外傷性頚部症候群について、長期の頚椎カラー装着や安静が痛みを長引かせることがあり、慢性期にはストレッチなどを行うと説明しています。ただし、いつから、どの程度動かすかは個人差があります。インターネット動画を見て強くひねるのではなく、診察とリハビリで安全な範囲を確認しましょう。

理学療法士の指導で交通事故後の首と腰の運動を行う患者
リハビリでは、状態に合わせて動き方や負荷を調整します。

すぐに医療機関へ相談したい変化

次の予約日を待たずに相談してください

  • 手足に新しく力が入らない、物を落とす、歩けない
  • しびれが急に広がる、両手または両脚に症状が出る
  • 排尿・排便が難しい、股の周囲の感覚が鈍い
  • 強くなる頭痛、繰り返す嘔吐、眠気や意識の変化
  • 発熱を伴う強い首・腰の痛み
  • 安静にしていても急速に悪化する痛み

このような症状がある場合は、次の予約日を待たずに連絡してください。緊急性が高い場合は119番を利用し、ご自身での運転は避けましょう。

上三川町から受診を検討している方へ

上三川町は車で移動する機会が多く、新4号国道や周辺道路で事故に遭ったあと、首を動かして安全確認するのがつらいという方もいます。痛みやめまいがある状態で無理に運転して通院するのは危険です。家族の送迎など、安全な移動手段を検討してください。

駅東ラッコ整形外科クリニックでは、事故状況と症状の経過を伺い、首・腰・手足の状態を診察します。必要に応じて画像検査、薬物療法、リハビリテーションを検討します。すでに他院で画像検査を受けた方は、紹介状や画像データ、お薬手帳をお持ちください。

よくあるご質問(Q&A)

Q.レントゲンで異常なしなら、通院する必要はありませんか?

A.画像だけでは決められません。痛み、動きの制限、しびれ、生活への影響が続く場合は、診察で経過を確認してください。

Q.痛みが事故の翌日に出ました。事故と関係ないのでしょうか?

A.症状が出る時期には個人差があります。いつ、どのように始まったかを医師へ伝えてください。事故との関係は、事故状況、診察、検査、経過を合わせて判断します。

Q.希望すればすぐMRIを撮れますか?

A.MRIの必要性は症状と診察所見から判断します。必要な場合は対応可能な医療機関への紹介を含めて検討します。

Q.しびれはありますが、痛みは軽いです。

A.しびれの場所、持続時間、力の入りにくさの有無を確認する必要があります。痛みが軽くても、神経症状があれば早めにご相談ください。

Q.事故前から肩こりや腰痛がありました。言わない方がよいですか?

A.事故前の状態も大切な医療情報です。隠さず、「事故前と事故後で何が変わったか」を具体的に教えてください。

院長コメント

画像検査は大切ですが、画像だけで痛みの程度や生活への影響がすべて分かるわけではありません。事故前との違い、時間による変化、困る動作を具体的に共有していただくことが、診療方針を考える助けになります。

まとめ

レントゲンで骨折や脱臼が見つからなくても、首や腰の痛みが続くことはあります。「異常なし」という言葉だけで我慢せず、症状の場所、始まった時期、悪化する動作、しびれや筋力低下、生活への影響を診察で伝えてください。必要な検査と治療は、画像だけでなく診察と経過を合わせて考えます。

参考:日本整形外科学会「むち打ち症」、日本整形外科学会「外傷性頚部症候群」、日本整形外科学会「捻挫」、ACR Appropriateness Criteria「Acute Spinal Trauma」

この記事は一般的な医療情報です。実際の診断や検査の必要性は、一人ひとりの症状と診察所見によって異なります。急な麻痺や意識障害などがある場合は救急医療を優先してください。

駅東ラッコ整形外科院長 山中卓哉

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